イイトコは、2階和室や軒先を希望する方に貸し出していますが、実はキッチンを含む「店ごと丸ごと」もお貸出ししています。
想定している利用者像は、
これから主にカフェなどの店舗を構えようとしている人で、まずはレンタルキッチンでカフェ営業のようすを掴みたい人(カフェの練習という感じですね)
店舗を構える予定はないけれど友人知人を招いてワンデイカフェをやってみたい人
焼き菓子などの製造と直売をやりたい人
などなどなど。
お貸しできるのは、イイトコ定休日の日曜日と祝日。
食品衛生責任者証をお持ちの方という条件を付けさせていただいています。
そんな感じで細々と募集をかけているのですが、いくつかお問い合わせはいただくものの、まだ実現には至っていませんでした。
それが、ついについに、この4月の下旬に初の実施となったのです。
ステーキ屋さんがやってきた
「間借りしたい」と訪れてくださったのは、同じ足立区内で肉の卸屋さんに勤める方。
屋号を「間借り家」さんと決めたこの方、
職場で肉をカットするときに出てしまう端材を活かしたカットステーキを売りたい!
とのことでした。
お肉は、国産牛。
やわらかくて、脂肪の目立たない赤身肉。
端材と言っても、肉を成形するときに出るものなので、素材は確か。
普段なら捨てられてしまう端材を救うことができれば、食品ロスの解消になる(イイトコの理念にも合致!)。
焼き方や味付けにも、とても自信があるらしい。
実際に試食させてもらうと、たしかにこれはおいしい(肉好きの夫も太鼓判)。
何より、ご本人の熱意と姿勢と人柄が素敵、ということで、借りていただくことにしました。
ただ、想定していたのがカフェなどの軽飲食での間借りだったので(募集要項にも「重飲食を除く」と記しています)、店内でお肉を調理することに不安もありました。
お肉の匂いが付いてしまわないか、油汚れは大丈夫か、などなと。
とはいえ、
やる前から気にしていてもはじまらない。
やってみなくちゃわからない。
それに、もともと夜の時間帯を使って「夜のイイトコ→ヨルトコ」をやろうと考えていたんだから(忘れてたけど)、その実験としてもいいじゃない。
ということで、油が跳ねそうな場所の備品は片付けたり、できるだけの準備はして、4/24(日)の当日を迎えました。
昼過ぎには完売、初回は大成功
この日は、予報では午後3時ころから雨が降り出すだろうという、あいにくの空模様。
複数の予約が入ったため、当初50食の予定だったのを急きょ80食に増やしたカットステーキは、果たして売り切れるのだろうか……?
いや、でも事前の反響(後述しますが、わりと早い段階で話題沸騰⁉︎)を考えると、80食なんてあっという間じゃ……?
こちらの心も揺れます。
そんな心配をよそに、蓋を開けてみれば、10時の開店と同時に、ほほ途切れることのないお客さまの数、数。
それも、見知ったお顔の多いこと。
間借り家さんも「イイトコさんのお客様が多くて……感謝です!」とおっしゃってくださるほど、普段来てくださるお客様の反響は大きかったようです。
そんなこんなで、用意した80食はお昼過ぎにみごと完売。
心配された雨もギリギリのところでもってくれました。
予定していた午後6時を待たず早々に完売してしまい、せっかくお並びいただいたのに買えなかったお客様もいらっしゃったと聞いています。
また、初回で不慣れなことや、ひとりのお客様が何個もオーダーしてくださったりで、ご注文からお渡しまでたくさんお待たせしてしまったかと思います。
きっと、いろいろ作戦を練ったりすることの好きな間借り家さんのことなので、次回は解消されていくかと思われます。
どうか長い目で見守っていただければ幸いです(←偉そう)。
そして、食べられたお客様、お肉のお味はいかがでしたか?
また機会がありましたら、感想などお聞かせいただけると嬉しいです。
次回は5/29(日)。今後も最終日曜日に
前々から、初回が好評だったら次月以降も定期的に出店したい、とおっしゃってくださっていた間借り家さん。
80食が完売したことで、決意は固まったようです。
もちろん、こちらも喜んで!ということで、5月からも毎月1回、最終日曜日に開催していただくことが決まりました。
次回、5月は29日の日曜日。
肉の日、と覚えてください。
心配だったお肉の匂いは気にならず、油ハネも綺麗に掃除していただいたので問題なし、でした。
一部、うっかりしていた部分にハネが見られましたが、次回からは紙などで油よけを施せば問題なしのようです。
お肉と、イイトコ
事前の反響に手応えを感じた、と上で触れましたが、今回、私が驚いたというか感心したのが、間借り家さんの「熱意」です。
もともとカットステーキでお店を構えたいと思っていた間借り家さん。
物件に恵まれず、半ば諦めていたところで見つけたのがイイトコという物件。
こんなイイトコを見つけてくださったこと、こんなイイトコに可能性を見出してくださったことに感謝して、イイトコも宣伝をがんばりました。
間借り家さんが用意してくれたチラシを店内に貼り出して、ご案内をして、興味を持たれたお客様お一人お一人にチラシをお渡しして。
間借り家さんの手作りのチラシは、たくさんのお客様の目を引いていました。
とくに、イイトコが普段扱わない「肉」ということで、成人男性の興味を引いたような印象がありました。
話がイイトコのことばかりになってしまいましたが、大事なのが間借り家さんの話です。
間借り家さんは、今回のような間借りにとどまらず、この後の展開についてもいろいろと構想をお持ちのようす。
それでもまずはこの間借りを成功させることから…ということで、24日の開店日の前はご自身の空き時間を利用して毎日のように表に立ち、道ゆくお一人お一人にお声がけしてチラシを渡していました。
そう、本当にお一人お一人に。
間借り家さんにかかると、歩く人はもちろん、自転車の人もわざわざ自転車を止めて話を聞いてくださるのです。
ときには、笑い声も。
ふつう、道に立っている呼び込みの人の声に立ち止まるなんてこと、しかも話をじっくり聞くなんてこと、あまりないのではありませんか?
なので、この光景には本当にびっくりしました。
もちろん、素通りされてしまうこともあるのですが、店内の私から見えている限り、8割方は立ち止まってくれたのではないでしょうか。
ひとえに間借り家さんの誠実さと熱量によるものだと思われました。
そして、予約される方も現れて、用意するお肉の量も、当初の50食から80食に増えたようです。
これから間借り家さんにファンがたくさんついて、間借り家さんの思い描く展望が現実になるといいなぁと思うのでした。
それではみなさま、次回5/29(日)をどうぞお楽しみに。
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