イイトコのブランドDNAを探る旅も今回が最終回。
早くこの作業を終えて、実際の店舗のブランディングに進みたい気分です。
が、まずはDNAを最後まで明らかにすることが、この先すべてのブランディング欠かせません。
今ならそれが私にもわかるので、はやる気持ちを抑えて、最後まで見ていきましょう!
11. トーン・オブ・ボイス(語り口)
ブランドは、いかなる場合でもお客様にそのブレない世界観を伝えていく必要があります。
すべてのタッチポイントにおいてブランドから発信されるメッセージも例外ではありません。
メッセージとは、SNSやブログの文章だったり、ウェブサイトの語り口だったり、商品ならばパッケージに添えられた文言だったり、広告だったり、多岐にわたると思います。
そこで、それらをひっくるめたすべての文字情報にとってのガイドラインとなるものが必要になるのです。
それが、トーン・オブ・ボイス。
テキストには、その語り口からお客様に「情緒的価値」と「ブランド人格」の2つを感じてもらえるようなガイドラインを考えよう、とあります。
イイトコの語り口って、どんなものがふさわしいのかな。
4で考えたイイトコの人格が、お客様に3のような情緒的価値を感じてもらえるような、語り口。
ということで、こんな語り口を考えてみました。
これから先、何かメッセージを発信するときの指針としていかねば、です。

12. ブランド名称
イイトコの場合、これはもう決めてしまっているので、動かせません。
私がイイトコという名前を考えたときのことを思い返しますと,,,,,,
事業内容を表していること
オリジナリティがあること
それでいてどこか聞き馴染みのあること
語感がいいこと
覚えやすく簡潔であること
ポジティブであること
このあたりを意識しながら考えていった記憶があります。
イイトコという名称に込めた思いは、このウェブサイトにも書いてありますが、
いいところ
eat=食べるところ
こどもがトコトコ歩いていくところ
を掛け合わせた造語になっています。
とくに「いいとこ」という語感は、今は亡き義父が、うちの末っ子に「どこ行くの?」と聞かれたとき、よく「いいとこ!」と答えていたエピソードから来ています。
「いいとこ」には、そんなときに使う、どこか秘密めかした響きがあるところも気に入っています。
13. ブランド・ストーリー
なぜあなたがその事業を始めようと思ったのか、そのブランドを立ち上げるに至ったのか、創業にまつわるストーリー。
そのストーリーに触れた人が、共感し、支持し、ファンになるような......感情に訴えるような。
イイトコのストーリーは、こうです。
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根本に、私自身の子育ての体験があります。
こどもは可愛い、子育ては取り組む価値のある意義のある仕事だと、わかってはいる。
だけど時として、2人だけの時間を困難に感じることがある。
「お母さん」は、自分とこどもの2人分、労力を注ぎ込まなきゃいけない。
だけど自分という人間は一人しかいない。
大抵のことは、子どもの世話で手一杯。
自分のことなんていつも後回し。
お風呂にだってゆっくり浸かれないんです。
もっと自分を大事にしてやりたい
自分を甘やかしてやりたい
自分の好きなことをしたい
子どもじゃなく自分を喜ばせてやりたいこともあるんです。
人に優しくされた経験のある人は、人にだって優しくなれるのと同じ。
お母さんだって一人の人間として優しくされたら、子どもにも優しくできるんです。
だからイイトコはそんな場所になろうと思います。
お母さんに優しくしてあげられる場所。
お母さんを甘やかしてあげられる場所。
そこにいると自分の好きなコトやモノを思い出させてくれる場所。
今はまだ少ない時間しか費やせないけど、いつかまた、少しだけ時間に余裕ができたら
あれもやろう これもやろう
今はそれを楽しみに、もう少しがんばろうと思わせてくれる場所が必要。
これを私なりにまとめると......
世のお母さんは、一人しかない自分という資源を、子どもと自分の二人分、注ぎ込まなきゃいけません。だけど、いつだって自分は後回しです。だって、子どもは片時もじっとなんてしてくれやしませんから。
お母さんは、自分の夢も、好きなことも、諦めたかもしれない。なぜって、子育てはそれらを犠牲にしたっていいと思えるくらい、素晴らしいことだから。
だけどお母さんだって、息詰まることくらいある。どうしようもなく悲しくなることだってある。
そんなときはイイトコに来て、大切につくられた食べものを食べて、居心地のいいスペースでくつろいで、心と体を解きほぐしてください。時には何か面白いことに出会えるかもしれません。
イイトコは、お母さんにうんと優しくします。うんと甘やかします。それでまた明日からの子育てに新鮮な気持ちで向き合えるなら。イイトコはそんなお手伝いをしたいと思っています。
こんなストーリー、ですかね。
どうでしょうか。
14. タグライン 「このブランドの世界観を一言で表すと?」
ブランドDNAを作り上げる作業、これが最後の項目です!
タグラインで、ブランドの価値、エッセンスを短い言葉で表します。
ブランドの名称に添えて、ブランドの世界観を凝縮して伝える一文です。
イイトコのタグライン......
正直、どんなものになるやら、途中までは見当もつきませんでした。
以前、「3. ブランド価値」のところでつくり出した
「子育て中の人にほっとする時間とスペースを」
になるのかもと思ったこともありましたが、今回、私はこれぞイイトコのタグライン!と思えるものを作り上げました。
やはりこのイイトコのDNAを作り上げる過程でウンウン悩んだことは、一つも無駄ではなかったのです。
私はイイトコ通してどんな未来を作りたいんだろう。
そう自問したとき、こんなことを頭に浮かべました。
すべての人が自分らしく生きている姿。
その地域に暮らすいろんな人が出会い、関わりながら育ち合えるまち。
そんな、今より少しだけ進歩した世の中をイメージしたとき、それって、ちょっといい未来だな、と思ったのです。
そこでできたのが、
おいしいコーヒーと
ちょっといいミライ
です。
でも実のところ、
おいしいコーヒーと
ちょっといいコト
と迷っています。
「ちょっといいミライ(未来)」は、イイトコの作りたい未来を感じさせて、広がりが感じられる気がします。
イイトコを利用することで、素敵な未来づくりに自分も参加している気持ちになれるような。
自分も、素敵な未来の一部になれるような。
ただ、「ちょっといいコト」も、「イイトコ」と語呂合わせになっていて、どうにも捨てがたいのです。
未来はちょっと壮大すぎるかもしれないけれど、それよりもう一歩身近な、ささやかさがあるところもいい。
ロゴも、こんなアイデアが浮かびました。

さあ、イイトコのDNAを掘り下げる旅、以上ですべての行程が終了しました。
長かったー。
疲れたー。
でもやってよかったー。
次はこのDNAをもとに、イイトコにまつわるすべてのもののブランディングを進めていきます。
まず取りかかりたいのは、内装と、食器と、サイン類と......あとウェブサイトも印刷物もー.........
ブランディングって、終わりがないものなのですね。
それでは、また!
素敵なおうち時間を。
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