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いつもここに立ち返りたい。


今日のFacebookでもご紹介しましたが、古い資料を整理していて、みつけたものです。

親・おとなの役割ガイドライン(試案)

<子どもの育ち>を保障するための

子どもへの<まなざし・かかわり・つとめ>

〜5つの基本視点・7つの基本姿勢・3つの基本責務〜

書いたのは増山均さん。

早稲田大学教授で、児童福祉論研究の第一人者、とwikipediaにはあります。

毎日の中で振り返りたい、見つめ直したい、子どもとのかかわりについて本当に大事なことが、

やさしい言葉で書かれています。

子どもとかかわる全ての人にとって、

いえ、昔こどもだった全ての人にとってかけがえのない視点が書かれていると思います。

ときどき立ち返るために…

ここに全文を転記させていただきます。

このガイドラインは、子育てのあり方を問い直すための参考資料です。

このガイドラインは、あくまでも試案であり、さまざまな角度から検討して、

より有効なものに改変していくための「たたき台」です。

慌ただしくて忙しい毎日の暮らしの中で、

いつもいつも「理想的な」かかわりができるわけではありません。

でも、ときどき立ち止まって、

子どもへの<まなざし・かかわり・つとめ>を問い直してみましょう。

このガイドラインは、そのための資料です。

◎子どもへのまなざし(基本視点)

・・・・子どもにとって一番いいことを考えあう

<その1> 人格をもった一人の人間(それぞれの持ち味と可能性を尊重しましょう)

<その2> かかわりの中で育つ(子どもの仲間・青年・親・お年寄りとの交流を重視しましょう)

<その3> 子どもたち自身が創る世界(子どもの自治・参画による仲間・暮らし・文化・まちづくりをめざしましょう)

<その4> 市民としての子ども(子どももおとなも同じ市民として共に生きる仲間です)

<その5> 子ども時代は二度と来ない(「子ども期」の充実は幸せな人生の土台づくり)

◎子どもへのかかわり(基本姿勢)

・・・・あたたかく やわらかく ゆったりとかかわる

<その1>「こぼすな・のこすな」と注意するより「楽しく・味わって食べましょう」

・食べ物を楽しく食べることが生きる力の基本です。

・旨いものを食べたとき、子どもは幸せになり、いい顔をします。

・「旨いね」と隣の人とことばを交わすことがコミュニケーションの基本です。

・旬の食材は人間の味覚と五感を豊かに育てる力を持っています。

<その2>「早くしろ」とせき立てずに「ゆっくりとつきあいましょう」

・ゆっくりかかわる中でコミュニケーションがうまれます。

・のんびりするときにも想像力が働きます。

・ゆっくり生活を味わい・楽しむ中で楽天性が培われます。

・子ども時代には、自然の時・地域の時を大切にしてあげましょう。

<その3>「うるさい」と怒鳴るのではなく「子どもと交わすことばはていねいにしましょう」

・子どもは家族・おとなの会話を空気のように吸って育ちます。

・ことばを身につけていない子、うまく使えない幼子こそ、親やおとなのことばかけの響きに含まれるやさしさ・あたたかさを感じ取ります。

・子どもの目と顔の表情をしっかり見ながら、ことばのやりとりをしましょう。

・「屁理屈をこねるな」とおさえるのではなく、屁理屈に根気よくつきあうおとなとのやりとりのなかから、理屈を学んでいきます。

<その4>「しっかりしなさい」と突き放すのではなく「もっとたっぷり甘えさせましょう」

・甘え上手は仲間作りと人間信頼を広げていくための力です。

・甘えられることは安心感と自己肯定感を育てる土台です。

・荒れている子どもほど「つながり・ぬくもり・ふれあい」を求めています。

・「叱る」にはその前提として受け入れ・受けいられていることが必要です。

<その5>「間違うな」と責めるのではなく「失敗や間違いからも学ぼうよって励ましましょう」

・つまずきこそが飛躍・発展の契機であり、自分で学び・わかる土台です。

・小さな失敗・間違いは、大きな失敗・間違いを防ぐ力です。

・つまずきは、仲間に知恵を借りるチャンス、仲間と結びつくチャンスです。

・失敗を通じて、自分を励まし、自分の力を神事、立ち直る力が育てられます。

<その6>「一人でがんばれ」ではなく「独りでがんばってはだめだよ、仲間の力を借りようよって応援しましょう」

・「自立する」とは、自分ひとりでできることではなく仲間の力を借りることができることです。

・自分ができないことは恥ずかしいことではありません。「力を貸して」と言えないことがつらいことです。

・力を借り、助けを求めることで「つながり」がうまれ信頼感が育ちます。

・一人の子の中にあらゆる力を詰め込むのではなく、仲間の力、みんなの特長を生かしあって、支えあえる力を育てましょう。「子ども観」ではなく「子どもたち観」をもちましょう。

<その7>「子どものくせに」とみくびらずに「子どもの声や考えを聴いてみましょう」

・子どもは賢さ・貴さを秘めています。子どもを見くびってはなりません。

・子どもの声を聴くなかから、新たな発想・展開が生まれる可能性があります。

・聞いてもらえることのなかで「安心・自信・希望」が育まれます。

・子どもも暮らしを支え、社会を創る仲間です。

◎子どもへのつとめ(基本責務)

・・・・家庭の中から社会の中に送り出しましょう

<その1>「子どもを育てる」ことを通じて「親も子どもに育てられるのです」

・子どもは「親にも育ってもらう権利」があります。

・親・おとなの生活態度が子どものもっとも身近な手本です。

・子育ては親育ち。最初はみんな子育てが下手な親です。子育てしながらだんだん親らしくなっていくのです。

<その2>「わが子だけ」ではなく「よその子・近所の子もいっしょに育てましょう」

・子どもは「いろんな人に育てられる権利」があります。

・子育ては親・母親だけではできません。周りの人の力を借り、力を貸し、協力し合いましょう。

・子どもを預けたり・預かったりする仲間・協力者を身近につくっておきましょう。

<その3>「子ども“が”問題」ではなく「おとなの問題・環境の問題を先に変えましょう」

・子どもは「良い環境の中で育てられる権利」があります。

・子どもは親の機嫌・夫婦喧嘩・家族の不和に敏感です。親自身の問題・おとなの問題は、おとな自身でで解決し合いましょう。

・子どもの育ちをゆがめる地域環境・社会環境を力をあわせて変えていきましょう。

〜転載以上〜

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