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物々交換について。


eatocoなおこです。 わたしが「子育てカフェeatoco」の活動「物々交換」を始めたきっかけの一つは、

丹羽順子さんの存在でした。


好きでよく読んでいたのが、生活クラブの機関紙「生活と自治」に連載されていた

「鎌倉ほのぼの日和」という丹羽さんのエッセイ。

資料を整理していたら、そのエッセイの切り抜きが出てきたので、ここでご紹介しますね。 鎌倉の、素敵な「物々交換」のようすが描かれています。

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「一日無銭旅行」

「本日お金は使えません。かわりにお気持ち、いただきます」。

そんなサインが入り口に書かれたカフェがありました。この連載のイラスト担当でもある友人が、鎌倉の長谷駅近くで経営する、手ぬぐいカフェ「一花屋」(いちげや)です。

店内で渡されるのは、この日だけの特別メニュー。「ホットコーヒー/窓拭き、酒粕レモンケーキ/障子のそうじ、野菜カレー/庭そうじ」など、値段はいっさ い書かれていません。戸惑いながらも、時間をかけて丁寧に庭掃除と窓ふきをしたお客さんが、ニコニコしながら食事をされていました。

これは、12月に行った「一日無銭旅行」での一場面。年に一度くらいはお金を手放し、消費やお金について考え直そうと呼びかける世界的な文化運動「無買デー」を、鎌倉でも楽しく展開しようと、仲間たちで企画したイベントです。茶葉やお菓子を持ってくると受けられるヨガ教室、街を良くするアイデアと引き換 えにコーヒーがサービスされるレストラン、物々交換市を開く民族雑貨店など、20店舗以上が参加。「いろいろな判断基準がお金に振り回されてしまっている」という思いは、みなさん共通のようです。

参加店を書き込んだ一日無銭旅行の地図には、「海/いくらいても無銭!貝殻拾いも楽しんで」「鎌倉最古の神社/階段の上からは海が一望」などと、無銭で楽しめるランドマークも追加。この日ばかりは通常の観光マップでなく、一日無銭旅行マップを片手に鎌倉を散策してもらおう、という狙いです。

当日、私はお財布を家に置き、朝から晩まで鎌倉中を楽しみつくしました。いつもは足早に通り過ぎていた商店街にも、発見がいっぱい。お金に振り回されないから、物を見る目が育ちます。そしてずっとしゃべりっぱなしでした。お金に頼らないから、人との交流が生まれやすいんですね。つながり合うととても楽しくて、心が豊かになります。

物々交換市と知らずに立ち寄った観光客の一人は、帽子と引き換えに、歌を披露していました。そして、「今日のことはずっと忘れないわ〜」と満面の笑み。お金では決して買うことができない、鎌倉の忘れられない思い出を持ち帰ることができたようです。

お金って、便利な反面、人と人との間に分断を生み出してしまうものでもあるなあ、と大切な気づきがあった一日。たくさんの参加者のとびきりの笑顔が印象に残りました。たまには思い切ってお金を手放すと、いろいろなものが自然と見えてくる。「おサイフ」も「ココロ」もほかほかです。

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久々に読み返してみると、新たな気づきがいっぱい。


今ちょうど「お金をいただかないサービス」について考えていて、お客さんの欲しい「一杯のコーヒー」と「イイトコが必要としているもの」との交換も面白いなと思ったのでした。

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