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ブランディングについて考えた②


前回の記事では、私がイイトコのブランディングの必要性に気づくまでを綴りました。


2回目は、ブランディングの必要性に気づいた私が、実際にイイトコのブランディングを作り上げるためにしたことを綴ります。




「イイトコの本質」を掘り下げる


イイトコのブランディング作業、それを私は前回ご紹介した『ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいこと』を教科書に進めていきました。


参考にしたのは、本では107ページから146ページに該当する箇所です。


題して「ブランドDNA」。


「ブランドDNA」とは、お客様も、お店で働く人も、そのブランドに触れる誰もが共有できる、ブランドの本質。


イイトコというブランドを作り上げるためには、まず「イイトコの本質」を理解するよう、掘り下げることが必要というわけです。


この作業、本では全部で14のプロセスに分かれています。




私は腰を据えて取り組むことにしました、この本の言うように、14のプロセスに沿って......。




1. ターゲット・オーディエンス(顧客像) 「このサービスはどういう人が利用するのか」


事業計画づくりセミナーなんかに参加すると、よく書かされるアレです。


あなたのサービス/商品を買う人はどんな人ですか?って自問自答して、人物像「ペルソナ」を設定させられるやつです。


私はこれが苦手です。


だって、「そんなヤツいねーよなー」って、自分で書いていて白々しくなりません?


でもこの本は大丈夫です。


2つの観点から押さえるべき項目を教えてくれるので、それに従って記入するだけです。


こっぱずかしいペルソナを捻り出す必要はありません。


それに沿って書き出すと、イイトコのターゲットはこんな人物になります。


デモグラフィクス(demographics)/統計上の集団の特徴


・性別 女性

・年齢 28 - 45

・収入 中間層

・学歴 専門学校/短大/大学

・職業 クリエイティブ系/専門職/主婦

・人種 すべて

・居住地域 西新井駅周辺

サイコグラフィクス(psychographics)/心理的な属性

・性格 向上心がある 好奇心の強い 楽しい

・姿勢 解決志向 創意工夫が好き 好きなものに囲まれていたい

・好きなもの アート インテリア DIY アウトドア セルフケア 旅行


あと、私が以前参加した事業計画セミナーで捻り出したペルソナから、関わりが深そうな側面を書き足しておきます。


・賃貸マンション住まいの核家族で、周りに子育てを頼れる人はいない。夫は帰りが遅く、平日はあまり頼れない。


・保健センターの母親学級や子育てサロンで出会った同じ月齢の子どもをもつママの知り合いはいるが、深い話はできず、こどもの発達や教育に関して一人で抱え込みがち。


・ママ友からは「〇〇ちゃんのママ」と呼ばれていて、子ども抜きで「自分」という人間の興味や関心のあることに関しては話す相手がいない。


・将来、家を買うなら中古マンションか中古戸建のリノベ派。


・子どもが生まれてから無添加・無農薬の食に興味を持ち、できるだけ手作りを心がけている。食材を買うときや外食をするときは、できるだけ選ぶようにしている。


・アートが好きだが、大人向けの展覧会へ行くことは諦めている。


・子どもも楽しめるアートイベントやマルシェには子連れで積極的に出かけている。


......結構ありましたね笑。




2. プロダクト・ベネフィット(消費者にとっての利点) 「なぜ、消費者はこのブランドのサービスを選ぶのか」


次に、1で設定したターゲットがこの商品/サービスを選ぶポイントは何かを考えます。


「これがあるから、他のどこでもなく、ここに行きたい」とお客様に思わせるポイントですね。


イイトコは飲食店なので、「食べたいものがある、体によいメニュー」は外せません。


お子さん連れで気軽に来てもらいたいので、「キッズスペースがある、気さくに頼める」といった機能も。


それから、アートやクリエイティブなことが好きで、自分を一人の人間として認めてもらいたいと願うターゲットなので、「センスが大人っぽく居心地がいい、素の自分でいられる」などの雰囲気も大事。


そして、「子育てママに誰よりも優しい」というイイトコの思いを考えると、「私のことをわかってくれている、愛がある」も加えたいところ。


また「ゴミをなるべく出さない、サスティナブル、生産者が見える」など環境や社会貢献といった観点も加えたいですね。


そうやってお客様にとっての利点を、本質に照らし合わせて思いつくまま挙げていきます。


すべて書き出したあとに私が感じたこと。


ホントにこんなお店があったら......私が行きたい。




3. ブランド属性とブランド価値 「このブランドは消費者や社会にどんな価値を提供できるのか」



ここまでの中で私が一番苦労したのがこれです。


お客様や社会に対してブランドが与えられる価値を、機能面と、そこから感じてもらいたい情緒面を土台として導き出す作業なのですが、これが大変でした。


機能面→情緒面、までは書き出せるのですが、この十数個のキーワードを包摂して、なおかつ短くまとめるなんて......無理としか思えません。


それでもなんとか捻り出したのが、これ。



「子育て中の人に ほっとできる 時間とスペースを」


ですが、「本当にこれでいい? 合ってる?」という違和感は拭えません。


これだけある機能面と情緒面のキーワードを、「ほっとできる」の一言でまとめてしまっていいのかーーー?


ただ、本にも


「ブランディングは試行錯誤してできあがるもの。トライ&エラーを繰り返していくものです」


とあるように、この先の作業を進めていく上で「こうじゃないな」と感じたら、その都度戻って修正すればよいということで、とりあえずこのままにしておくことにしました。


さて、ブランディング作業はまだまだ続きます。




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